勃起不全(ED)が起きる原因は、主に心理的な理由、身体的な理由、薬の影響によるものが挙げられます。
その中でも特に身体的な理由で起こるものは、「器質性ED」と呼ばれます。

そもそも勃起は、脳が性的刺激を受けたら、神経を通って陰茎に刺激を伝え、陰茎海綿体の血管を広げて、血液量が多くなることによって起こります。
そのため、血管・神経・内分泌機能のどこかに支障があると、満足のいく勃起が起こらなくなってしまいます。
血管障害が起きると、陰茎海綿体に十分に血液を送ることができなくなってしまいます。
特に血管の弾力が失われる動脈硬化になると、十分に血管が広がることができず、勃起が起こりづらいです。

また、手術などにより血管の一部が傷ついてしまうと、血液を送ることが難しくなります。
神経障害が起きると、脳からの指令をしっかりと伝えることができなくなってしまいます。
神経障害が起きる例としては、脳血管障害・アルツハイマー病・パーキンソン病といった脳の病や、糖尿病性神経障害などが挙げられます。

また、手術などにより必要な神経が傷つけられてしまった場合も、同様に脳からの指令を伝えることができません。
内分泌機能低下が起きると、性欲が生じにくくなったり、勃起が起こりづらくなります。
人の体の中には様々なホルモンが分泌されていますが、その中でも「テストステロン」は、性欲の増加、勃起力の増加、精子を作り出すなど、子孫を残すために性機能を強化する働きがあります。
しかし内分泌機能低下によりテストステロンが減少すると、勃起が起こりづらくなります。

また、性欲も少なくなるため、性行為が少なくなり、さらにEDを悪化させる恐れがあります。
このように、器質性EDは血管障害・神経障害・内分泌機能低下により起こるものを指します。
そしてこれらの原因として挙げられるのが、加齢と生活習慣病です。
人は年をとると次第に身体の機能が低下します。

また、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になると、血管の状態等がさらに悪化してしまいます。

器質性EDの治療方法はどういうものがある?

器質性EDを治療するにあたり、まず挙げられるのが内服薬による治療です。
ED治療薬は海綿体の筋肉が弛緩するのを防ぐ酵素の働きを抑制し、筋肉を緩める効果があります。
陰茎海綿体の筋肉が緩むことで、血液が通りやすくなり、勃起が起こりやすくなります。
ただし、ED治療薬はあくまでも陰茎の血流を良くするものであるため、外からの性的刺激がないと起こりません。

また、神経障害などで外からの性的刺激が伝わりづらい状態になっていると、血流は良くなっても勃起そのものは起こりません。
そしてED治療薬は、血管を広げる薬ですが、高血圧の方、肝臓や腎臓が悪い方、心臓病・脳血管障害を抱えている方は使えないこともあります。
というのも高血圧の方の場合は、日ごろから血管に強い負荷がかかっている状態であるため、血流が急に良くなると血管に強い刺激を与えることになってしまうからです。

また、心臓病・脳血管障害を抱えている方の場合、既に血流を良くする薬を飲んでいることがあります。
すると薬が効きすぎてしまい、心臓や脳に強い負荷を与えてしまう恐れがあります。
神経障害がある場合や、心臓病や脳血管障害がある場合、ED治療薬は使えせん。
そのため、内服薬以外の方法を選ぶ必要があります。
具体的にはシリンダーを使って勃起を維持する、陰茎に直接注射して勃起を起こさせる、人工陰茎を埋め込むなどの方法が挙げられます。

そして器質性EDを治療するにあたり、重要なのが日々の生活を改善することです。
例えば動脈硬化は、加齢によっても起こりますが、血糖値・コレステロール値・血圧が高くても起こります。
そのため、日ごろの食事を見直し、定期的に運動することで血液の状態を正常にすることが重要です。